不安になる時は誰にでもあります。
不安の「度合い」は、他人にとって些細なことでも、自分にとっては問題になる場合があります。
「立場」「考え方」その時の「気分」によっても、不安になることはたくさんあるでしょう。
不安事があると、気持ちが落ち込み行動に影響がでてきます。
楽しいことがつまらなく感じたり、周囲に辛く当たってしまったり。
できることならば、不安な気持ちにはなりたくありません。
この記事では、不安な気持ちになったときに「考えてみて欲しい視点」を紹介します。
不安事の見る目を変えて、ポジティブに捉えていきましょう。
- well-being(ウェルビーイング)を確認
- PERMAモデルを確認して幸福視点になろう
幸せの考え方について|well-being
不安なことばかりを考えていると、気持ちが落ち込んでしまいます。
この状態で行動していても、幸せな気分になることは無いでしょう。
これを、逆に考えてみます。
幸せな気分でいれば、不安事に悩むことは無いということです。
幸せ(幸福)の考え方を確認していきましょう。
Well-being(ウェルビーイング)について
幸福について調べると、well-being(ウェルビーイング)という言葉がよく出てきます。
Well-beingについては当ブログでも度々登場していますので、過去記事を是非拝見してください。
Well-beingの感心は、教育現場から職場、個人から経済までと、あらゆるところで高まっています。
well-beingの概念
Well-beingは「幸福」や「良く在る状態」とざっくり理解していただければ良いと思います。
ここでは、難しい理論は抜きにしましょう。
今回拝見した参考文献(有馬2019)では、well-beingの概念を以下のように述べています。
私達が幸福と呼び議論を続けてきた人生の良い状態を測定可能なものとして、科学的に再定義した概念である
有馬2019
「幸せとは何か?」を考えるときに「well-beingの定義というものがあるらしいぞ!?」で良いと思います。
下記からは、well-beingの領域である「ポジティブ心理学」の一部を確認していきます。
ポジティブ心理学を知っておくことで、不安事に対応していきましょう。
幸福を考えるPERMAモデル
ポジティブ心理学を「幸福=明るく前向きに生きるための研究」と考えた場合、行動や考え方が研究対象になると思います。
心理学者マーティン・セリグマンは、「ポジティブ感情」「エンゲージメント」「人生の意味」を幸福理論として提唱しました。
現在は「良好な人間関係」「達成」を加え、それぞれの頭文字を取り「PERMAモデル」と呼ばれています。
- Positive emotion(ポジティブ感情)
- Engagement(没頭)
- Relationship(良好な人間関係)
- Meaning(人生の意味)
- Accomplishment(達成)
本記事では、PERMAモデルから不安思考を解消するヒントを探っていきます。
PERMAモデルから不安を解消①ポジティブ感情
楽しい・満たされている・好奇心といったポジティブな感情が湧くと、気持ちに余裕が生まれて思考が柔軟になります。
拡張-形成理論
柔軟になることで、思考や行動の選択肢が一時的に拡張されるのです。
結果、行動的(チャレンジ精神の増加)になり個人資源が増えていくのです。
- 資格取得に挑戦してみよう
- スポーツジムに入会してみよう
- 旅行へいってみよう
これは「拡張-形成理論」と呼ばれています。
上記のような個人資産の取得は、自信となって良い影響が螺旋のように続いていきます。
不安に対して考える
ポジティブ感情は、不安な気持ちの「考え方を見直す」需要なポイントです。
不安な時は、思考がネガティブな方向へ固まってはいないでしょうか。
ポジティブ感情で柔軟になった思考は、不安事に出くわした際にも良い考えを生むでしょう。
また、チャレンジ精神の増加で得た「自信」は、自己効力感を高めます。
自己効力感の向上によって、不安事に対して前向きに受け止めることができるはずです。
PERMAモデルから不安を解消②エンゲージメント
和訳すると「没頭」という意味があります。
ポジティブ心理学では、フロー経験がエンゲージメントの最重要概念とされています。
フロー経験
フロー経験は、アメリカ心理学者ミハイ・チクセント・ミハイにより提唱された概念です。
フロー経験は簡潔に「高い集中力の経験」だと思ってください。
芸術家やアスリートが高いパフォーマンスを発揮するときに経験するという「ゾーン」も、フロー経験のことを指していると思われます。
フロー経験の特徴は下記のとおりです。
- 自己意識の喪失(集中)
- 時間の歪み
- スポーツ:フィールド全体が把握できる
- 芸術:目の前の作品以外見えない
- 仕事:作業に没頭し、気が付いたら数時間が経過していた
フローでいることが多い人はそうでない人と比較して、以下の特徴があります。
- 日々の生活をより楽しんでいる
- 高い幸福度を感じている
- 自尊心(自己評価)が高い
不安に対して考える
なにかに没頭、集中している時(フロー状態)は、それ以外の事柄を忘れさせてくれます。
正確には、考える余裕がないと言いますか。
フロー経験が多いと、ポジティブな効果が生まれます。
フロー状態では、不安事に悩んでいる余裕はありません。
フロー経験が多いと、日々の充実感や幸福感から心に余裕が生まれ不安に対する見方も変わることでしょう。
また、集中することで不安が解消されるという考え方で「マインドフルネストレーニング」というものがあります。
マインドフルネストレーニングについては下記を参照ください。
PERMAモデルから不安を解消③良好な人間関係
良好な人間関係とはどういったものでしょう。
- 困っている時に手を差し伸べあえる関係
- 互いの悩みを解消しあえる、家族・パートナー・友人
- 信用と信頼のあるビジネスパートナー
共通することは「相互」と「理解」です。
一方的な要求では良好な関係とは言えないでしょう。
また、「長い付き合い=良好な人間関係」というわけではありません。
互いの目的を理解しあえれば、それは良好な人間関係が生まれたといって良いのではないでしょうか。
- (店員)お客を席へ案内、注文をとる、料理を出す、料金を受取る
- (お客)誘導された席へ座る、注文する、料理を食べる、料金を支払う
とんでもなく当たり前のことです。
しかし、この双方一連の流れの中に良好な人間関係は作られています。
「互いの目的を理解すること」で、円滑に事は進んでいるのです。
これが、下記の行動ではどうでしょう。
- (店員)いいかげんな座席誘導、注文取り忘れ、間違った料理がでてくる、会計間違え
- (お客)自分勝手な席の陣取り、注文した品が遅いと騒ぎ立てる、クレームつけて値切る
めちゃくちゃです。
これでは、良好な人間関係はつくれません。
人間関係には、互いの「理解=感謝」が必要なのです。
感謝については、下記を参照してください
不安に対して考える
良好な人間関係は、不安解消に大きな効果をもたらします。
不安や悩みを話せる関係
誰かに話をするだけで、不安解消に効果があります。
自分では思いつかないアドバイスをもらえるかもしれません。
また、共感してくれるだけで幸福感は生まれるでしょう。
良好な関係を意識した行動を取る
相手を理解しようとする行動は、ネガティブな出来事を抑止することができます。
自身の振る舞いが、無自覚に相手を傷つけていることがあります。
理解、感謝、思いやりを持った行動で、不安な出来事の発生を抑えることができます。
PERMAモデルから不安を解消④人生の意味
「人生の意味」、とても哲学的な言葉に聞こえます。
哲学者アリストテレスが提唱した幸せ概念のひとつ「ユーダイモニア」では「人生における意義と目的、または良好な精神的機能」といった定義があります。
人生の意味は、定義の中心的な要素です(有馬2019)。
人生の意義と目的
人生の意義と目的とは「生きがいとは何か」ということです。
自分の生きがいは何か、考えてみましょう。
- 家族を幸せにすること
- 社会的に評価を高くすること
- 世界各地を見て回ること
- 推しを応援すること
人生の意味を見出せている人は幸せを感じ、より人生に満足しているという研究結果があります(参考:オーストリア心理学者ヴィクトール・フランクル)
また、ネガティブな感情の経験を抑制するとのことです。
不安に対して考える
私は、出来事を「人生の意味」と関連付けてみる習慣は大切だと思っています。
- この出来事は、自分にとってどのような意味があるだろうか。
- 生きがいに良い影響があるだろうか。
どう転んでも「良い影響にはならない」と判断すれば、考え方や行動に変化を起こすべきです。
ネガティブなこと、不安なことは悩んでも良い効果にはなりません。
また、生きがいにとって必要な不安や悩みであれば「挑戦的」に考えることです。
やってやろう!という気持ちで。
PERMAモデルから不安を解消⑤達成
達成とは、物事を成し遂げることです。
達成することで得られるもの
ポジティブ感情の「拡張-形成理論」に近い話になりますが、成し遂げたことで得られる結果というものはポジティブな効果を得ます。
- チャレンジ精神
- やりきった満足感
- 自信(自効力感)
- 自分評価の向上(自尊心)
- 更なる挑戦意欲
いずれもポジティブな言葉が並んでいるのがわかります。
不安に対して考える
達成効果によって、不安の受け止め方は変わっていくでしょう。
何かに挑戦して成し遂げることは、良い経験として自信になります。
達成感を得た経験が多ければ、不安の見方は変わってきます。
- あの時成し遂げた事と似ているな、対処できるかもしれない
- あの時達成した事に比べたら、大したこと無いかもしれない
「乗り越えられるかもしれない」と思った時点で勝ちです!
勝ちとは、、、。
まとめ:PERMAモデルを意識した行動を実行してみよう
PERMAモデルのひとつひとつから、ポジティブな要素を得ることができます。
ポジティブ要素を備えることで、不安に対する考え方、備え方、見え方は良い方向へ変化します。
不安なことを考える時間が多いというのは、心身にとって良いものではありません。
辛い場面に遭遇した時や、つらい気持ちになった時はPERMAモデルを思い出してみましょう。
何事も意識しすぎると負担になるかもしれません。簡単・気軽にポジティブ思考を考えてみましょう。
本記事を読んでいただきありがとうございます。
今後、ポジティブ思考でいる時間が多くなれば幸いです。
参考文献
ありがとうございました