誠実な人とは、どんな人でしょう?
まじめや正直といったイメージでしょうか。
誠実とは、「道徳的指針をもって行動すること」です。
誠実であることにはたくさんのメリットがあります。
- 信頼を得られやすい
- 問題に取り組むための洞察力が磨かれる
これらは、コミュニケーションで大きな力になるでしょう。
しかし、誠実さがコミュニケーションにおいてズレを起こし、苦しむ時があります。
本記事では、コミュニケーションにおいて誠実が原因で苦しむ理由と対策を紹介します。
物事を客観的に捉えること、結果や結論を急がないこと、心を落ち着かせる術をもっておくことで、摩擦が起きるコミュニケーションに対応していきましょう。
「誠実な人がコミュニケーションで苦しい思いをする」とても悲しいことです。
私の勝手な意見ですねこれ;
誠実なあなたにこそ読んでほしい。
是非、対策を得て誠実さを育んでいきましょう。
- 誠実とはどういうことか
- 誠実さで苦しむ要因
- コミュニケーション対策
誠実な人の性格イメージとは
世間的には、誠実な人のイメージはこうでしょうか。
- 正直である(嘘がない)
- 礼儀正しい(マナーがある)
- 信頼性がある(信じられる)
- 人助けをする(正義感がある)
- 勤勉である(努力する)
- 責任感が強い(やりとげる力)
- 忍耐力がある(我慢強い)
誠実な人のイメージにはポジティブな印象が強いことがわかります。
誠実(morality)とは
- 道徳的指針をもち、それに一致した言動をとること
自分の「道徳的価値観」を基に行動することが誠実であるといいます。
さきほどの「誠実な人のイメージ」は、各人が持っている道徳的価値観から想像されたものと言えます。
道徳(morality)とは
誠実には、道徳が大きく関わっています。
- 威厳、道義心、敬意、思いやりの判断基準となる個人の価値観
「人を思う事」にあると考えます。
出来事や他者に対して、人を思う正しき価値観をもっているかが重要です。
さきほどの「誠実な人のイメージ」でいう「礼儀正しい」「人助けをする」は道徳から連想されたものではないでしょうか。
ちなみに、
正しい価値観ってなんなのさ
こう思った人もいるでしょう。
道徳は、個人によって異なります。
それこそ国や文化で大きく違いがあるはずです。
個人の価値観を相手に強要しないことも誠実であるといえるでしょう。
倫理(ethics)とは
余談ですが、道徳と似たような言葉「倫理」とはなんでしょうか。
- 社会や組織の指針として、有意義で建設的な原則が体系化された社会・組織の一員として守るべきもの
倫理は個人とは異なり、集団での意味合いが深いです。
守るべきもの、守らなくてはならないものといえるでしょう。
- 道徳も倫理も、学ぼうとすれば非常に深いものです。ご興味ある方はぜひ書籍を探してみてください。
誠実な行動とは
誠実に生きるとはなにか、誠実であることでどんな効果があるのかを紹介します。
誠実に生きるとは
誠実であるということは「誓いに従って生きる」ということです。
そうすることで、自分の最も深い価値観を自分自身との約束として守り、良心を持って自分本来の姿につながるちからとなります。
つまり、自分の誠実な部分を出すということは自分らしさを表すことになります。
誠実であることのメリット(長所)
誠実であることで、他者や組織において何が道徳的に影響するかを確認するようになります。
おそらく無意識だと思います
そのため、問題に取り組むための「洞察力」や「勇気」を持つことができます。
- コンビニ店員に、自分へおつりを多く渡している事を教える
- 職場で嫌がらせを受けている人のために、アクションを起こす
- 親戚の集まりで、差別発言を連発する人に「子供の前で発言しないよう」求める
小さな事でも正しいと思った行動をとるようになります
誠実であるために必要なことは、道徳的感性です。
誠実であることのデメリット(短所)
誠実であることで、周囲から拒絶や批判、避難、怒りや責めを受けることがあります。
また、コミュニケーションで自身の誠実さと異なる行動をとることでストレスが溜まることもあるでしょう。
誠実には、道徳的価値観が関わっています。
つまり、個人によって様々だということを覚えておく必要があります。
周囲とのズレを感じた場合は、平常心とセルフコンパッションを持って自分自身を保護しましょう。
誠実さ(道徳)による4つの悩み
誠実・道徳的感性の影響によって、苦しみが起こることがあります。
- 基本的な人間の善良さに基づく信条を逸脱する行為に関わる時
- 正義感に反する行為に関わる、もしくは目にした時
自身の誠実さに反する行為を目にして、辛い気持ちになります。
加担したとなればより苦しみを抱くことでしょう。
この「道徳的苦しみ」が起こる理由を紹介します。
道徳的葛藤
- 道徳的に問題があると気づき、改善しようと心に決めているにもかかわらず、内外からの制約によって行動を起こさない場合に生じる
- 売り場が困ると理解しつつも、上司命令で大量出荷・納品を強行する
- 延命治療による患者の負担が恩恵を上回った時に抱えるストレス(治療者側)
対策として、ミーティングで各自の価値観を共有しましょう。
気づきを理解し全員の方針を見直していきましょう。
また、個人のレジリエンス(回復力)を養うために瞑想トレーニングなども良いでしょう。
道徳的損傷
- 道徳を大きく侵害する行為を目撃したり、それに関与したりした結果として被る心理的損傷
- 同僚が嫌がらせを受けていることに、気づいていない振りをした
- 休憩室で、上司の有りもしない悪口の賛同を求められ、頷いてしまった
罪悪感によって、道徳的損傷は起こります。
道徳的な憤り
- 社会規範に反する者への憤りを、外に向けて表現する
- 嫌悪感、倫理の侵害を感じたときに生じる
- あいつらは間違っている、私が正しいことを教えてやらなくてはなるまい
怒りによって攻撃性が高まる一方で、嫌悪によって社会に背を向けていくようになります。
道徳的な憤りが「集団化」すると、有益・害悪にかかわらず社会に影響を及ぼします。
道徳的憤りは共感疲労が原因となりやすく、病的な利他を引き起こすことがあります。
道徳への無関心
- 何も知ろうとしなくなったとき、害をもたらす状況から目を背けるときに生じる
- 自身と周囲との誠実・道徳のズレで絶望する、逃避行を起こす
- 改善策とかもういいから、とにかくこの職場から離れたい
目を背け、思いやりを忘れ、故意に無知でいることで他者の苦しみを無視します。
自ら壁を築くような状態です。
「まともな人と思われなくてはいけない」という罠にとらわれないようにしましょう。
まともだと思われなくてはいけない、なんてことはないのです。
誠実さに関する8つのコミュニケーション対策
コミュニケーションにおいて、自身の誠実さと道徳によって辛い思いをした場合は下記対策をご参考ください。
心身を落ち着かせる訓練
- 道徳的な問題に直面していて誠実さが脅かされたときは、心身を落ち着かせることが大切
- 相手の言葉に不安や悲しみを感じることの無いようにする
めちゃめちゃ難しいと思います
日頃から心身を整える訓練もあります。
マインドフルネストレーニングや瞑想を取り入れてみましょう。
客観的に捉える
- 辛いと思った感情は、道徳的なジレンマの捉え方に影響を与える
- 感じたことを客観的に捉える
- ×今、自分はなんて辛いのだ。
- 〇自分は今、辛いと感じているようだ。
結論に飛びつかないこと
- 結論を急がないようにする
- 自分の状況を把握したら、相手はどんな見方をしているかを考える
- 相手の言葉には立場や理由があるかもしれないことを考える
原因を考える
- 葛藤する原因を考える
- 知ったつもりになってはいけない
- 不確実性から学ぶこともある
困難があると覚悟(理解)する
- そもそも完璧な解決など無い
- 一人一人に考え方、感じ方がある(立場もある)
- 故に、摩擦は大小起きるものと理解する
他者から学び、関係性を築いていく
- 相手の状況を学ぶ意識を心がける
- コミュニケーションを繰り返すうちに、自分の誠実さと相手との関係性ができあがる
- 学ぶ意識をもってコミュニケーションをおこなう
- お互いを尊重しながら意見を交わす「アサーティブコミュニケーション」というものもあります。
謙虚を養う
- 謙虚でいること
- 感謝を抱く礼節をわきまえた人でいる、すなわち誠実な自分を磨くということ
礼儀と態度が整った人は、周囲のあなたを見る目も変わることでしょう。
相手も寄り添う考えをもってくれる、、、、かもしれません。
辛い経験が今後の価値となる
- 道徳的苦しみの経験が、適切な条件下では今後有意義な価値になっていることがある
- 過去から学ぶことで、今後の対応のヒントとなる
辛い経験をたくさんしよう!ではありませんよ。
まとめ
誠実さは、自分の「道徳的価値観」に基づく行動に現れます。
自身の誠実さに反する出来事に遭遇した場合、大きな苦しみとなるでしょう。
対策として、物事を客観的に捉えること、結果や結論を急がないこと、心を落ち着かせる術をもっておくことで対応していきます。
誠実さ(道徳的価値観)がまったく同じ人など存在しません。
知ったつもりにならず、出来事(相手)をよく観察してみましょう。
コミュニケーションにおいて、誠実であることはポジティブな部分が大きいはずです。
ネガティブな部分にとらわれないようにしましょう。