こうやってネット検索ができるのも、誰かが行動しているからなんだよなあ
ありがたいことなんですよね、ほんと
- 「ありがとう」は、ソーシャルスキルである
- 誰かのために行動することは、労働だけではない
- 感謝が相手の活力になる
相対的である以上、相手を想うスキルは必須である
人は「おぎゃー!」と世にデビューしてから、たくさんの人や仕組みと出会い、動作や言葉を学習していきます。
そして、あれは「好き!嫌い!」「良い!悪い!」と自分の分別が確立していきます。
当然、皆が同じ環境や行動パターンで動いてはいません。
よって、考え方は人の数だけ違うのです。
この世は、考え方の違う人が同じ舞台で共同生活をしています。
個人が満足する生活を送るためには、必ず他者との関わりが発生します。
故にコミュニケーションは必須であり、それは個人の一方的な主張だけでは成立しません。
社会生活には「相手を想うスキル」が必要です。
そのなかでも、感謝感情は社会生活において重要な役割であり、経験によって磨かれるものであると考えます。
感謝を分けて考える
まず、感謝というものを2つに分けて考えます(Watkins etal 2003等)。
- 感謝感情:自分に良いことがあったと認め、その良いことに「誰か」が関わっていると認知するときに生起する肯定感情
- 感謝行動:受益者が受益の認知や感謝感情を利益供与者に言語的・非言語的に伝えること
「誰か」、つまり対象は人間となります。
感謝感情
感謝感情は、誰しもが持っている「当たり前の感情」だと思う方もいるでしょう。
しかし、多くの大人が乏しい感謝感情しか持っていないと思うときがあります。
利益を受けた時「自分に良いことがあった」と認めはするでしょう(もしくは「悪いことではない」と認識する)。
しかし、この良いことに「誰かが関わっている」と気づくことができない人(場面)がいます。
私の良いことは、私の力によるものである。私の良い出来事は必然であり、「誰か」の関わりはどうでもよい、と。
仕事や、どこか買い物へ行って、大声でクレームを叫ぶ人を見かけたことがあるでしょうか。
これは、感謝感情の(理解の)希薄さが一つの要因ではないかと考えます。
感謝行動
感謝行動をとることで、その相手との関係は良くなります。
感謝されることによって相手の高揚感や肯定感は高まり、well-being(幸福等)の向上へ繋がります。
感謝スキル
相川(2016)は、感謝感情を感謝行動に変換したり、相手の行動を理解したりするのに必要な技術を「感謝スキル」と呼んでいます。
感謝スキルは、ソーシャルスキルを学ぶことで理解することができます。
ソーシャルスキル:社会の中で普通に他人と関わり共に生活していくために必要な能力。心理社会的な能力、ライフスキルといった言い方もする。
ウィキペディア
ソーシャルスキルと聞くと、仕事や社会人スキルなどが連想されがちです。
しかし、引用にあるように、ビジネスに関することだけではありません。
他者と関わるということ、自分が社会の中で存在(生活)しているということがどういったことかを理解するスキルなのです。
この理解が深まれば、感謝スキルの重要性が解るのではないかと思います。
社会生活は、感謝される行動こそ必須である
我々は、身近な人から遠く知らない「誰か」の行動によって生活することができています。
- 商品を企画、開発する人
- 商品を生産する人
- 商品を流通する人
- 商品を宣伝する人
- 商品を販売する人
- 商品を購入して、お金を払う人
つまり、各人が「誰かのため」に行動することこそが、社会生活ひいてはこの世界で生きるために必須なことであると考えます。
「誰かのため」は、なにも労働することだけがすべてではありません。
誰かの活力に繋がる行動をすることが重要なのです。
たとえばあなたが、病院で治療を受けているとします。
処置をした看護師に「ありがとう」と伝える(感謝行動)、これだけで「誰かのための行動」になっているのです。
感謝を受けた看護師は、達成感・モチベーション・やりがいといったことがポジティブ方向へ向上します。それは、その人の幸福感が高まったということです。
幸福感が高まったことでポジティブな気持ちが行動にも現れます。
そして、次の患者や周囲の職員へ良い影響を与えるでしょう。
あなたが表現した感謝行動が、たくさんの「誰か」に良い影響を与えているのです。
まとめ:感謝を表現していこう
感謝を表現することは、相手の幸福感を高めることができる大切な行動です。
あなたの感謝の理解が、多くの人に影響を与えています。
自分の行動が誰かの幸福感にどのような影響を与えているのか、考えて見る必要があります。
また、自身の幸福状況も重要です。
自身がポジティブであることで、たくさんの感謝に気づくことができると思います。
参考文献
ありがとうございました。