コミュニケーションは「気配りや気遣いを意識する」ことで、円滑に行うことができます。
相手の状況を考えたり、行動を予測したりすることで、配慮のある接し方ができるでしょう。
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相手への敬意があれば、①のような表現がでることはありません。
敬意を持つこと、表現することでコミュニケーションはより良好になることでしょう。
また、上記①のような表現には「軽蔑」の意味合いが含まれます。
軽蔑は、自身が「すること」でも「受けること」でもポジティブな結果は生まれません。
軽蔑そのものから離れ、敬意を持った生活を送れるようにしましょう。
- 敬意とはなにか
- 軽蔑とはなにか
- 軽蔑を避け、敬意を育てるには
コミュニケーションにおける敬意とは
敬意(Respect)には、どのような意味が含まれているでしょうか。
敬意とは
- 尊重し価値を認める姿勢
敬意を持つとは「認めること」、「肯定する気持ちを持つ」ことです。
頭から「否定的するぞ!」「認めないぞ!」という考えで挑んでいては、敬意を持ち合わせてはいないということになります。
他者への敬意
コミュニケーションには「相手」がいます。
他者への敬意について、詳しくご説明します。
- 他者への敬意とは、相手の自律性とプライバシーの権利を尊重すること
- 他者の個性に対して誠実に行動し、誠意を忘れずに正直でいること
相手を尊び重んじること、大切に思うこと。
自分の誠実さ(道徳的判断基準)を持って「正直で熱心」に応対することです。
要するに、「相手という存在を認めて、コミュニケーションを取ること」だと思います。
- 敬意をもつことに「値するか否か」という人物や場面もあるでしょう。
- その判断は、個人の誠実さ(道徳的指針)で決まります。
敬意のメリット
敬意を持った行動をすることで、健全な共感と誠実さが身につきます。
敬意は、愛と正義の基盤であり、対立を和解へと変容させることができる良好なコミュニケーション作りには欠かせないものです。
- 互いに敬意を持つことが重要だと考えます。
敬意を表すには(敬意表現)
敬意を表現する方法は、冒頭例のような「言葉使い」だけとは限りません。
- 正直に建設的に意思疎通を図る
- 相手との約束を守る
- 尊厳を大切にする
- 互いの選択や境界を尊重する
これまで、こむずかしい言葉が出てきたかと思います。
要は相手を認め、真っ当にコミュニケーションをとりましょうよってことです。
3種の敬意
敬意を、3つの側面でみていきましょう。
他者への敬意
- 相手の存在価値や真価を認めることを意味する
もし相手が害を及ぼす行為をした場合、無関心にはなりません。
相手を大局的にみるようにします。
そうすることで、仮に相手から自身に敵意が向けられたとしても、その無礼は取り立てて個人的なものではないと受け止めることができます。
相手の敵意や害に対応できるほどの敬意を持つことは、そうとう難しいと思います。
まずは、自分のできる限りの敬意を持つことからはじめてみましょう。
原則への敬意
- 道徳的指針を尊ぶこと
- 自身の最も深い価値観につながり、たとえ困難な状況であってもそれに基づいて行動すること
自分の中の道徳的価値観を大事にしましょう。
周りの意見を参考にすることも大切ですが、自身の価値観も大事にしましょう。
自らへの敬意
- 恥辱や自責の念の連鎖から抜け出すこと
自分への敬意は「ごまかし」がききません。
思い悩みネガティブになることを止め、自分に敬意をもちましょう。
訓練することによって、研鑽し高めることはできます。
このあと紹介する訓練を習慣化しましょう。
コミュニケーションにおける軽蔑とは
相手に敬意を払うことについて、意味やメリットをお伝えしてきました。
それでは軽蔑(disrespect)をもったコミュニケーションとはどのようなものなのでしょうか。
軽蔑とは
- 下に見て深く考えないこと
- 自身の価値と異なる相手を否定し、賤しめる(いやしめる)こと
- 取るに足らないものとして見下げること
敬意とはまったく異なる行動です。
相手を見下し、認めていない態度となります。
2種の軽蔑
軽蔑な態度を向ける方向として、2種類に分けられます。
水平方向の敵意
- 組織や社会において、同じ階層にいる人の間で起こる軽蔑の行動
- 仲間への攻撃
会社で言えば、成績を比較されることによる同胞感の対抗意識で現れることがあります。
垂直方向の暴力
- 序列の違う階層の間で互いを蔑む(さげすむ)
上司から部下へ、部下から上司へ現れることもあるでしょう。
敬意と軽蔑の関係性
敬意と軽蔑の関係は「分かち合う力」と「支配する力」に関係しています。
敬意と分かち合う力
- 自分の力を自分よりも弱い立場の人々に使う時、行動の原動力となるのは敬意であり分かち合う力である
誰かを手助けしたいと思う気持ちは「敬意の現れ」であり、分かち合おうとする気持ちです。
軽蔑と支配する力
- 力を自分の利益に使い他者を犠牲にする時、その行動は軽蔑の現れであり支配する力である
利己的な行動には相手への敬意はないのでしょうか。
力によって自身の制御は効かなくなり、敬意や思いやり、配慮や良心といった「社会規範」を無視してしまうことがあります。
敬意を払い軽蔑を対策するには
日頃から他者に敬意を払い、軽蔑な気持ちを抱かないためにはどうすればよいでしょうか。
また、自身が軽蔑を受けた場合にはどう対処したらよいかをご紹介します。
マインドフルネスに受け止めること
マインドフルネスに受け止め、地に足がついた状態を保つことです。
相手の軽蔑に囚われず、出来事をありのままに捉えてみましょう。
攻撃的に受け止めないこと
相手の軽蔑(敵意)を攻撃的に受け止めると、負の連鎖が起きます。
上記マインドフルネスと同様、言葉出来事をありのままに捉えてみましょう。
客観的にみることで落ち着いて捉えることができるかもしれません。
思い込みを止めること
相手の軽蔑をしっかり受け止め、受けた言葉(出来事)そのままに思い悩んでしまうことは止めましょう。消耗するだけです。
つい思い込んでしまうことでしょう。少しずつ客観的に思えるようにトライしてみましょう。
自分の内外に適切な境界を設けること
「これ以上は考えない」「相手の意見を考慮するのはここまで」軽蔑を向ける相手に対して、どこまでも誠意をもつ必要はありません。
自分の体調を大事に、できる範囲を気にしていきましょう。
約束を守ること、見直すこと
敬意をもった行動は、相手との犯してはいけない決まりというものがあるはずです。
取り決めをしなくとも「社会的マナー」「道徳」という守るべきものは存在します。
また、状況に応じて見直すこと、改めて見ることも大切です。
広い視野で捉えること
軽蔑を受けると考え方が狭くなるものです。
不安になると混乱し視野が狭くなります。
落ち着いて状況を広く捉えて、自分には選択肢がたくさんあるのだと気づきましょう。
自身の脆弱性を認めること
「自分には弱いところがあるのだ」と理解しましょう。
完璧になろう、しっかりとしようと思う必要はありません。
また、相手も同じであると理解することが大切です。
義務、自己責任、信頼、つながり、勇気を学ぶこと
いずれも、敬意に大切なものです。
勇気をもって、自分に自信をもってコミュニケーションをとっていきましょう。
コミュニケーションに活用できるブッダの教え
最後に、ブッダの教えに基づいた「正しく話すための5つの鍵」をご紹介します。
- その言葉は、真実か
- その言葉に、思いやりはあるか
- その言葉は、役に立つか
- その言葉は、必要か
- その言葉は、今言うべきか
この言葉に、敬意を払い、軽蔑を抱くことの無いコミュニケーションのすべてが詰まっているように感じます。
もはや、これだけ覚えればOKですね
まとめ
敬意と軽蔑について考察しました。
相手を思いやり、敬意を払うことはコミュニケーションにとって大切なことです。
それを理解できれば、自身が軽蔑を抱くことは無くなると思います。
また、誰かから軽蔑を受けた場合は、まともに受け止めず客観的に捉えてみましょう。
そして、さいごの「正しく話すための5つの鍵」を思い出してみてください。