- 相対所得仮説について
- 幸福への影響について
- 自分の頑張りを褒める必要性
他人と比較|隣の芝生は青く見える
もっと豪華な暮らしがしたい!!
有名になりたい!!
たくさんの目的(夢)があると思います。
そのために日々努力をすることは素晴らしいことです。
例えば、勤め先から給料をもらって生活をしているとします。
それでも「もっとお金がほしい!」「より良いブランド品を手に入れたい!」と思う人がいます。
この気持は自分だけで思い立つことではありません。周囲の情報に影響を受けて浮かぶ考えなのです。
知人の暮らしぶりを聞いたり、テレビで流行を知ったり、有名YouTuberの豪華な生活や企画を見たり。
自身の現状と相対的にみることで、ネガティブな感情が生まれているのです。
これが重症化していくと、ひがみが強くなり生活に支障が出ます。
普段の生活や職場でのコミュニケーションが、自らの発言によって悪くなってしまいます。
- あの人に追加手当を支給したらしいですね。私が5年前に同じことをした時はもらってませんよ、あの時の分を今ください!
- ○○社は臨時ボーナスがあったらしいですよ。うちではないのですか、支給するべきですよ!
- 私は集まるのが嫌いなので忘年会に参加しません。代わりに私の浮いた宴会経費をお金でください!
満足しない、他人との比較で幸福を考えてしまう
自身の所得がどれだけ向上しようとも、必ずしも幸福感には結びつかないことがあります。
- 所得が着実な上昇傾向を見せるにもかかわらず、生活満足度が向上しないという統計的事実(Easterlin 1995 参考)
これは、冒頭で考察しました「周囲との比較」が鍵となっているようです。
また、「相対所得仮説」というものがあります。
- 自分と社会経済属性がよく似ている「他人の所得」との相対的な関係に影響を受ける※主観的ウェルビーイングが影響を受ける
- 経済学の効用理論に基づくと、ある個人の効用がその個人の所得だけでなく、他人の所得によっても影響されることを意味する
- (Clark and Oswald1996他、浦川2018 参考)
頑張って所得を増やしているにも関わらず、「どっかの他人が凄まじく稼いでいたので嬉しくないな」と感じてしまいます。
自身の日頃の努力が高いほど、他人との所得比較でネガティブな影響を受けやすく感じてしまうのです。
漠然と「いいなー、羨ましいなー」と思っている人よりも、「こんなに頑張っても、すごいやつには敵わないのか」と思うほうが影響を受ける度合いが高いと考えます。
なんだかこれ、学生時代に部活動で思ったことがある人はいるのではないでしょうか。
泣ける。
相対的所得仮説は、所得に限らず通じるものがあります。
※ウェルビーイング:個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること
現代用語辞典知恵蔵2007
まとめ:刺激は貰えど、自分の頑張りは認めて幸せを感じよう
相対的にみることで、主観的ウェルビーイングに影響を受けるということでした。
他者との比較は、なにもネガティブなことばかりではありません。
友人や著名人の刺激ある活動を拝見し、自身の活力になることがあります。
他人の成功でネガティブになる必要はありません。
- 自分が頑張っていることを認識して褒める
- 他人が頑張っていることを認め称える
そうすることで現状頑張れていることに幸せを感じ、より明るく前向きな未来へ進めるでしょう。
参考文献
ありがとうございました